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心不全の原因を明確につかむため検査検査が続きます。
弁膜症とはわかっているのがどの程度便が機能しているかの検査。

ついに苦しみを生むだけの検査の当日。

「かなり苦しいよ経食道超音波検査」と主治医の先生が言う。
「胃カメラより苦しいですか?」僕
「うん、苦しい」先生
「この検査だけは二度としないでくれと、言う患者が多いんだよね(笑)」

看護師に促されながらベッド横になると検査技師の先生が自己紹介。業務的なお互いの挨拶が終わると主治医の先生から説明は受けているかどうかの確認を完結に行う。

「この管で検査するんだけどさ、カメラがついてないからこっちで飲み込んでって指示をだしたらその都度飲み込んでね!」ずいぶんとあっさり言っているが、胃カメラよりかなりぶっといじゃないか!

「大きい!そんなの入らない!!!」こころの中でそう叫びました。
そんな叫びは届くわけもなく、粛々と検査の準備は進んで行った。気がつくと主治医も同席していて「苦しいけど頑張ってね!」恐怖感を煽る言葉とともに「苦しくてもなるべく身体の力を抜いてね、楽になるから」などど横たわっているベッドの上で、創造が膨らんでくる。
5分も10分も経っているわけではないのに、目の前のあの管がこれから入ってくるのかと思うと絶望さえ感じました。

「じゃあ入れますね。」(もちろん喉に麻酔はしてある。)



ゴリって表現が適切かな?先端が喉に突っかかる、グリグリされながら自分の指などでは届かない領域に入ってくる。
「・・・くっ苦しい・・・」
更にその奥へと進んだあたりで「はいっ飲み込んで!」合図があった。

でもね、管が太すぎてゴックン出来ないんですよ。もう一度合図がかかるそして無事飲み込むと今度は肺の辺りまで管が入ってくる感覚がする。

肺の辺りまで差し込んでくると今度の喉の反射運動でえずきが始まる。えずく度に息が吸えなくなる上に唾液などが飲み込めない為に口からダダ漏れ状態。
息吸えないと(苦しい)→唾液飲み込めない(苦しい)→管が更に奥に入ってっくる(苦しみとえずき)
このサイクルの繰り返しなのである。

だが、始まって数分経つとこちらもコツを掴む。なるべく身体の力を抜いて鼻から呼吸をすると管を動かさないでいれば、喉に太い異物が入っているぐらいで我慢できそうな気がしてくる。しかしそうは問屋が卸すはずもなく、容赦なく検査技師は管をグリグリ動かすのである。
とは言え、スタート時より慣れた。かと言って苦しさが無くなるわけではない。

「あ〜どれぐらい時間がかかる検査なのかちゃんと聞いておけば良かった」と後悔。
出口のない迷路のようで終わりが見えない分、時が経つのが長く感じる。

もう、ここまで苦しいとどうにでもしてくれって気分になり僕は何かの実験台なのだと思うといささか気分は落ち着いた。

「はい終わるよ!」
神の声が実験台の僕の耳に届くと同時に安堵した。安堵した筈だった。
「息止めたら合図で息を吐いてね」

息を吐くと同時に管が抜かれる。安堵した筈が最後の苦しみ。
何の苦行だこれは?頭の中をよぎったが終わったので良しとしよう。

病室に戻ると、身内が見舞いに来ていて「なに泣いてるの?」と微妙な一言。
えずくと涙がでるでしょ!

それにしても苦しかった。